不動前の夜は、暮れた空気が線路脇の匂いを連れてくる。 夕方の散歩で少し涼しくなった空気を感じながら、ふと辿り着くのが Bibiche(ビビシュ)。 階段を一段降りると、目に入る柔らかな灯りは、街のざわめきから距離をとって、犬と過ごす静かな時間を誘う。 22時まで開くこの場所は、都会の夜に寄り添う余白として、ふたりの時間をゆっくりと立ち上げる入口になる。
空間 — 街の喧噪からひと息、ペットと居られる居場所
不動前の路地を少し進んで降りると、木の素材が落ち着いたバル空間になる。
25席ほどの室内は、ソファ、カウンター、カップルシートと居場所が分かれ、犬と並んで座る距離感に余裕がある。 カートごと席に落ち着いても、方向や視線が気にならない。 街灯の強さとは違う、内部の灯りが犬の視線の高さにも優しい。 “犬 OK” を超えて、犬といることがありふれた日常のひとつになるように設えられた空間*だ。1

テーブルの共有 — ボリューミーな犬ごはんとシーズナルな皿
この店が特別なのは、犬メニューの豊富さと選びごたえにある。 複数ある中から好きなものを選べる3種盛りは、犬の嗅覚を刺激する佇まいで、値段も手頃に設定されている。2 ただ「犬用の皿がある」だけではなく、季節ごとに変わるシーズナルメニューも用意され、街の食の季節感を犬と一緒に味わう時間がある。3 まぐろやお肉、野菜の組み合わせが香りを立てる皿は、犬の目線の先でゆっくりと湯気を上げる。 飼い主用の料理は季節のプレートや前菜、ワインに合う一皿まで幅広く、人と犬の料理が同じテーブルで続いていく時間が自然に紡がれる。
日常の延長 — 夕暮れから夜へ、犬と回遊する時間の密度
夕方の散歩を終えた後、光が落ちて街灯の色に変わり始める頃、階段を下りて席に落ち着く。 犬用のお水や配慮あるサービスは、常連の足取りにも馴染んでいる。 ふたりの視線がテーブルを横切り、となりの犬が気になる気配が、柔らかい夜の濃度になっていく。 ここは散歩のついでではなく、街の夜の回遊路の一部として機能している。 夕暮れが夜へと沈み、犬と共有する時間の粒が細かく刻まれていく。
夜の余白 — 誕生日のお祝いとちょっとした物販
夜遅くまでいられる余裕は、ただ営業時間の長さだけではない。 この場所は犬の誕生日を祝うための場としても選ばれている。店側が用意するバースデープレートや、オーダーできる犬ケーキの存在は、日常の延長線上に小さな節目を刻む。
カウンターには、ちょっとした物販が並び、散歩の帰り道に手に取ることができるささやかなアイテムがある。 夜の帳が落ちても、犬と自分の時間を「締めくくる」だけでなく、もうひと息つくための余白として開かれている。
静かな余韻を抱いて、また歩き出す前に
階段を上がって不動前の夜道に戻ると、街の空気が少しだけ柔らかい。 地下で過ごした時間の余韻が、犬の息遣いと共に足音を進める。 光と匂いの残響が、また歩き出す夜の時間に寄り添っていく。
アクセス・営業情報
📍 ドッグバルBIBICHE 住所:東京都品川区西五反田4-1-10 アーバンハイム不動前 B1F アクセス:不動前駅から徒歩5分、 営業時間:11:00~22:00(料理L.O.21:00 ドリンクL.O.21:00)/月 定休 Instagram:@abibi_bal1005_ 主な特徴:犬連れOK(店内可)、グッズ販売
