毎年、年末が近づくと静かにざわめくブランドがある。 〈TES〉——The Endless Summer1の頭文字を取ったこのレーベルが発表する干支シリーズは、フレブルと暮らす人々にとって、もはや年末の風物詩だ。2026年は午年。ビンテージのバンダナをイメージしたグラフィックには、投げ縄を操るカウボーイブヒと、縁起の良い跳ね馬ポーズのブヒが描かれている。発売と同時に姿を消すこの限定コレクション、今年もまた、手に入れられなかった人のため息が聞こえてきそうだ。
1964年、カリフォルニアの夏から
〈TES〉のルーツは、1964年に制作されたサーフィン・ドキュメンタリー『The Endless Summer』にある。カリフォルニアの若きサーファーたちが「終わりなき夏」を求めて世界を旅する——その映画は、サーファーのバイブルとして今も色褪せない。
ブランドは、この映画の世界観をファッションに落とし込んだ。レトロなサーフカルチャー、どこか懐かしいアメリカ西海岸の空気。そして、アイコンとして選ばれたのが、サーフボードに乗るフレンチブルドッグだった。
なぜ、フレブルなのか。その理由は公式には語られていないけれど、ひとつ確かなことがある。このブランドが描くブヒたちには、どこか自由で、マイペースで、それでいて芯の通った佇まいがある。サーフカルチャーの持つ「自分らしく生きる」という哲学と、フレブルという存在が、不思議なほど重なって見えるのだ。
日本製という、静かな矜持
〈TES〉のプロダクトに触れて驚くのは、その生地へのこだわりだ。
たとえば、定番のTシャツ。油分を抑えたアメリカンコットン特有のシャリ感、太番手の糸が生み出す生地表面の凹凸。ヴィンテージの古着が持つ独特の風合いを、日本の技術で再現している。オープンエンドと呼ばれる空紡糸を使い、何度も改良を重ねて辿り着いた質感だという。
TES 2026 NEW YEAR。サーフボードに乗るフレンチブルドッグのロゴが目を惹く二子玉川店
干支シリーズのスウェットもまた、その哲学を体現している。度目を極限まで詰めた超厚手の裏毛生地は、すべて日本製。ビンテージの風合いを追求しながら、柔らかさと保温性を両立させた。表面のフロッキープリントは、手触りにも温かみを添える。
カリフォルニアの自由な空気と、日本の丁寧なものづくり。一見、相反するように見えるふたつが、〈TES〉の中では自然に溶け合っている。
午年をイメージしてTESらしくビンテージテイストにデザインされた4色展開のこちらも、現時点でラスト一枚。オーナー達の熱意がなくなるスピードに反映されている。
フレブルと暮らす私たちへ
〈TES〉は、犬のためのブランドではない。犬と暮らす人のためのブランドでもない。ただ、サーフカルチャーを愛し、リラックスした日常を大切にする人のためのブランドだ。
それでも、フレブルと暮らす私たちがこのブランドに惹かれるのは、きっと偶然ではない。Tシャツに描かれたブヒの表情、トートバッグからこちらを見つめる瞳、ニットキャップに刺繍された横顔——そのどれもが、隣で寝息を立てているあの子を思い出させる。
原宿のフラッグショップ(神宮前4-31-3)を訪れれば、その世界観をより深く感じることができる。ショーウィンドウには、サーフボードに乗ったブヒがネオンで浮かび上がる。店内に並ぶアイテムのひとつひとつに、レトロと現代、アメリカと日本、そしてどこかユーモラスなブヒの存在が、自然に溶け込んでいる。
終わらない夏を、彼らと
「終わらない夏」——それは、サーファーたちが追い求めた永遠の季節のこと。
けれど、フレブルと暮らす私たちにとって、その言葉は少し違う意味を持つかもしれない。彼らと過ごす日々は、いつだって穏やかで、温かくて、どこか夏の午後のような空気を纏っている。ソファでまどろむ彼の隣で、〈TES〉のスウェットに袖を通す。そんな何気ない瞬間こそが、私たちの「終わらない夏」なのだと思う。
アクセス・営業情報
📍 TES / THE ENDLESS SUMMER ・原宿フラッグショップ 住所:東京都渋谷区神宮前4-31-3 アクセス:JR原宿駅 表参道口より徒歩5分/東京メトロ明治神宮前駅より徒歩3分 営業時間:11:00〜19:00 ・二子玉川店 住所:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C 南館1F アクセス:東急田園都市線・大井町線 二子玉川駅より徒歩3分 営業時間:10:00〜20:00(玉川高島屋S・Cに準ずる) Instagram:@tes_the_endless_summer
