梅雨だから家にいる。それも悪くない。 でも、雨だからこそ行ってみたい場所がある。
雨の予報を彼は知っている。 それなら、こちらも先回りする。 屋根の下に、彼との特別な一日を用意しておこう。
走る、浮かぶ、浸かる ―― 6月だけの、もうひとつの過ごし方。
夏の本気の暑さが来る前に、いまのうちに行ける場所を頭に入れておく。それくらいの気持ちで、ちょっとした下見に出かけてみる。
走る ―― 都内、屋根の下のドッグラン
雨が降ると、散歩のかわりに家の中をぐるぐる歩く彼。 それも可愛いけれど、たまにはちゃんと走らせてあげたい日もある。
都内には、空調と床材が整った室内ドッグランがいくつかある。 フレブルは熱に弱く、関節も繊細だから、選ぶときの基準はおのずと厳しくなる。 気持ちよく走れる場所を、4軒。
PAWHAUS(下高井戸)
オーナー自身がフレンチブルドッグと暮らす、世田谷の小さな室内ドッグラン。 店のマスコット犬もフレブルで、看板犬の「ズズ」が来店者を迎えてくれる。
何が良いって、空気がいい。 スタッフとの距離が近く、初めて来た子にも自然に声をかけてくれる。 シャイな子、慎重な子、はじめてのドッグランで緊張している子 ―― そういう一頭一頭の様子を、ちゃんと見てくれている店。
併設のアンティークショップも面白い。 ヨーロッパで買い付けた古道具が並ぶ空間で、走り終わった彼を待ちながら少し見て回るのも、いいひとときになる。 「ドッグランに行く」というより「ちょっと寄り道する場所」に近い感覚。
MEMO 場所:世田谷区赤堤|京王線・下高井戸駅 時間制・予約推奨 小型犬向け(フレブルも快適)
DOG SOCIALIZE CLUB(経堂)
名前のとおり、社交がテーマのクラブ型ドッグラン。小型犬中心で、カフェも併設。スタッフが各犬の性格を把握していて、相性のいい子同士をさりげなく合わせてくれる、と評判。走らせるというより「ゆるく出会う場所」として通いたい一軒。経堂駅から徒歩圏。
わんこのしっぽ(中馬込)
都内の室内ドッグランとしては約90㎡と広め。空調しっかり、駐車場あり、料金1,650円/時間。郊外感のあるエリアにあるので、ドライブがてら寄りたい人向け。
BONZ DOGRUN(滝野川)
人工芝が敷かれた室内ラン。関節への負担が少なく、フレブルにも優しい。空調完備、土曜定休なので注意。北区方面のフレブルファミリーには近場として便利。
浮かぶ ―― 彼と泳ぐ、貸切の午後
東京都内には、犬と泳げるプールがほぼ無い。 だから、これは少し足を伸ばす提案として。
藤沢や横須賀まで車を走らせれば、犬専用の屋内プールがある。 泳ぎが好きな子もそうでない子も、水に浮かんでみる経験は、それだけで特別だ。 雨の日に、彼と一緒に水の中にいる午後 ―― 普段の散歩とは違う時間が流れる。
マハロハレ(藤沢)
藤沢の住宅街に佇む、犬専用の屋内温水プール。 最大の魅力は完全貸切制ということ。 他の犬や知らない人がいない環境で、彼ひとりだけのペースで水に慣れていける。
温水なので冬でも使えるし、業務用ドライヤーも完備。 プールサイドはハワイアンな雰囲気の内装で、写真もよく撮れる。 2時間4,000〜7,000円。 半日かけて行く価値のある場所、というのが正直な感想。
泳ぎが得意じゃないフレブルでも、ライフジャケットを着けて浮かんでみるところから始められる。 水の中で、彼の表情が少しずつほどけていくのを見るのは、なかなか感動的だ。
MEMO 場所:藤沢市|車で行くのが便利 完全予約制・貸切 温水プール、業務用ドライヤーあり
ハイランドドッグヤード(横須賀)
元人間用のプールを犬用に転用したという、ちょっと珍しい施設。深いプールと、浅瀬30cmの安全プールの2種類があり、水が苦手な子も慣らしながら使える。ライフジャケットの無料貸出あり。マハロハレに比べてコスパも良く、気軽に試したいときに。
浸かる ―― 雨が誘う、一泊の温泉
梅雨の週末、思い切って一泊出かけてみる。 雨でも楽しめる場所、雨だからこそ気持ちのいい場所 ―― 温泉宿は、その筆頭だ。
最近の犬同伴可の宿は、設備もサービスも驚くほど洗練されている。 客室に小さなドッグラン、貸切露天風呂、部屋食、ペット用アメニティ。 彼にとっても、私たちにとっても、贅沢な数日になる。
夏になると、フレブルの長距離移動はちょっとリスクが上がる。 車での旅は、6月のうちが快適に過ごせる最後のタイミングかもしれない。
レジーナリゾート箱根仙石原
犬と泊まれる宿として国内屈指の充実度を持つリゾート。 何が嬉しいかというと、室内ドッグランがあること。 4階のラバー床のランは、フレブルの関節にも優しく、雨の日でもしっかり走らせてあげられる。 屋外のランもあるので、晴れ間には外で。
客室にはドッグラン付きの部屋もあり、夜中に彼が「ちょっと出たい」と思った時にも対応できる。 食事のクオリティも高評価で、人間側の満足度も担保されている。
「犬を連れて泊まれる宿」ではなく「犬と一緒に泊まることを前提に設計された宿」。 この違いは、行ってみると体感できる。
MEMO 場所:神奈川県・箱根仙石原 室内・屋外ドッグランあり 客室露天風呂・大浴場あり
愛犬のための湯宿 モリトソラ箱根(小涌谷)
客室にドッグラン付き、貸切温泉あり。落ち着いた雰囲気で、ゆっくり過ごしたい人向き。レジーナよりもこぢんまりとした規模感で、その分プライベート感が強い。
別邸 石の家(伊豆高原)
全室露天風呂、客室にドッグラン付き、夕食は伊勢海老・鮑のコース。「ちょっと贅沢な記念日に」というシチュエーションに合う宿。伊豆方面のドライブも楽しめる。
La Dog Resort(伊豆高原)
食事を部屋で犬と一緒に食べられる設計、24時間入れる客室露天風呂。「彼と離れたくない派」の人にはまさに、という宿。
雨を理由に、いつもと違う場所へ
家の中で過ごす梅雨も、悪くない。 でも、雨が連れてきてくれる場所もある。
走る、浮かぶ、浸かる ―― いつもの散歩コースの外側に、屋根の下にある世界を、ひとつでも知っておくと、6月はぐっと楽しくなる。
夏の本気が来る前に、ちょっとした下見のつもりで。 それくらいの気持ちで、彼と一緒に出かけてみてほしい。
雨の匂いは、彼が先に教えてくれる。 あとはこちらが、行き先を決めるだけだ。
