朝の光がゆるやかに室内を満たす頃、体重計の数字がいつもより高いことに気づいた。
日々の散歩やいつもの遊びの時間は変わらないはずなのに、抱き上げた瞬間に伝わる重さが、少しだけ違っていた。 フレブルの成犬の適正体重はおおよそ8〜14kgとされるけれど、数字だけでは見えない日常の体感がそこにある。1 それは“痩せる/太る”ではなく、暮らしの質を調えることの始まりだった。
体重だけじゃない、日常で見る“体型のサイン”
愛犬を真上から見たとき、緩やかなカーブが腰にあるかどうか。手で優しく触れたとき、助骨がうっすら感じられるか。これらは、数字より日々の生活の中で観察できる大切なサインだ。2 BCS(ボディコンディションスコア)という評価法では、視診・触診・触れた感触から適正体型を見ていく。 真上から見てくびれがある、横から見て胸からお腹にかけて緩やかに吊り上がっている。 これらのチェックを日々の散歩の合間に行うことで、数字だけでなく“体の質”が見えてくる。
生活のチェック項目(毎日の目安)
- 真上から見て腰に緩やかなくびれがあるか
- お腹の下がりすぎがないか
- 優しく助骨に触れてみて、骨を感じすぎない・感じなさすぎないか
こうした“体のシルエット”が、暮らしの中での感覚として残っていく。
| チェック項目 | どう観る? | なにを見たい? |
|---|---|---|
| 体重(数字) | 同じ時間・同じ場所で測る | ゆっくり変化しているか |
| 上から見たシルエット | 真上から愛犬を観る | 腰に緩やかなくびれがあるか(理想) |
| 横から見たシルエット | 横から立っている姿を見る | 胸からお腹への緩やかな吊り上がりがあるか |
| 肋骨の触診 | やわらかく手で触る | 肋骨が感じられるが、見えすぎない・触れなさすぎないか |
| 腹部(お腹)のタック | 側面から観察 | 軽く引き締まったお腹のラインか(お腹がだらっとしていないか) |
| 腰まわりの触感 | 両手で包み込むように触る | くびれと脂肪のバランスが適度か |
| 日々の呼吸・歩き方 | 散歩中/帰宅後に観察 | 息づかいが乱れすぎないか、足取りが軽やかか |
| 食事の量・おやつ管理 | 計量カップ・スケールで確認 | 1日の必要カロリーに対して適正量か(おやつは総カロリーの10%以内が目安) |
| 散歩・遊びのリズム | 散歩や遊び時間の記録 | 無理なく継続できているか |
| 週単位の振り返り | 体重と生活の変化をノートに記録 | 数値と日常の感覚がリンクしているか |
食事の粒度を観る:量・質・時間
食事は暮らしのリズムそのものだ。 「どれだけ食べたか」より、「どれだけ質のある栄養をとったか」を静かに見直すことから始めた。 一般的なガイドでは、成犬フレブルは1日あたりおよそ500〜600kcalが必要とされると言われるが、活動量や個体差で変わる。3 カロリーを気にするというより、フードの袋に書かれている分量を計量カップやキッチンスケールで測る。 まずはそこから、小さな“数”と向き合っていく。
食事のチェック項目
- いつもと同じ時間に食事を与えられているか
- 計量した量が毎回ほぼ一定か
- おやつが1日の総カロリーの10%以下に収まっているか
おやつの量や種類を見直すと、風景が少しだけ変わる。 ボウルの前で待つ横顔を見ながら、これは「ご褒美」ではなく“生活のリズム”なのだと感じる瞬間が増えていった。4
散歩・遊びの感覚を整える
フレブルは短頭種で、呼吸に負担がかかりやすい犬種でもある。 長い距離や激しい運動ではなく、短くても心地よい散歩を日常にする。 ゆっくり歩いたり、立ち止まって匂いを嗅いだり。 体が軽やかに動く瞬間を、数字とは違う“感覚”で捉えていく。5
運動のチェック項目
- 呼吸が苦しそうなときはすぐ休めているか
- 散歩のあとは落ち着いたリズムで家に戻れているか
- 日々の遊び時間や短い散歩がほぼ毎日あるか
これらのチェックは、毎日の散歩をただのルーチンにせず、質を観察するための小さなアンテナになる。
振り返る習慣:体重と体感の関係
体重は週に1回、同じ時間・同じ場所で測るようにした。 数字が少し上下しても、そこで一喜一憂する必要はない。 むしろ、前日の遊び時間や食事の質と数値との関係をふり返ることこそが大切だと思った。 視覚的な体のラインや、抱き上げたときの感触、散歩後の歩き方。 それらが少しずつ整ってくると、数字と感覚のあいだに静かな対話が生まれる。
振り返りのチェック項目
- 先週の体重と比べて生活に変化があったか
- 数字と日常の体感が一致しているかどうか
- より良い日常をつくるために微調整ができているか
この振り返りは、未来を急がず、今日を丁寧にするための時間でもある。
小さな粒の積み重ね
体重計の数字は今日も静かにそこにある。 けれど、数字以上に大切なのは、日々のチェック項目を通じて育まれた感覚だ。 視線を少し低くして、腰のくびれに気づいたり、散歩の帰り道に足取りの軽さを見つけたり。 それらが、暮らしの粒度をそっと整えていく。
静かな光の中で、また新しい足跡が刻まれる。
