歯磨きが大切なことは、飼い主のほとんどが知っている。獣医師の定期検診でも、歯科専門病院でも、「できるだけ毎日磨いてあげてください」と言われる。それは正しいアドバイスだし、その重要性も理解している。ただ、「わかっている」と「できている」の間には、思いのほか大きな溝がある。「どうやって嫌がらせずに」「何を使えばいいのか」「そもそもどこから始めればいいのか」——実践のための情報が手元にないまま、気づけば後回しになってしまう。そのもどかしさは、决して怠慢ではない。
大阪・岸和田のペット同伴OKモール〈WHATAWON(ワタワン)〉内に店を構える〈ちくわ本舗〉は、犬猫の歯磨きグッズを中心に、こだわりのおやつや機能性の良いお洋服など、犬猫の用品を扱うセレクトショップ。「犬猫歯磨き商店」と書かれたのれんが入口に揺れる。壁一面に歯ブラシ、パウダー、ウォーター、電動ブラシ、シートと、口腔ケアのアイテムだけがびっしりと並ぶ。スタッフは日々勉強を続けながら、一頭一頭の状況に合わせた相談に乗ってくれる。気軽に話しかけられる空気がある。
プラチナナノブラシ〈泡雪〉をはじめ、サイズ違いのラインナップが壁一面に。
まず、「拭く」。それから磨く
歯磨きの話をすると、多くの人がいきなりブラシを手に取ろうとする。でも〈ちくわ本舗〉が最初に教えてくれることは、磨く前にシートで口の中のぬめりを拭き取ることの大切さだ。歯の表面に残るぬめりはバイオフィルムと呼ばれるもので、これを先に取り除いてからブラシをかけることで、口臭の抑制にも、歯石の予防にも、効果が大きく変わってくる。「歯ブラシの前のひと手間」。意外と知られていないこの順番が、ケアの質をひとつ上げる。
歯ブラシにもこだわりがある。極小サイズのプラチナナノブラシ〈泡雪〉、イオン反発で汚れを浮かせる〈BeauDent〉、業界初のペット専用音波歯ブラシ〈BOOOOM〉。「犬に電動歯ブラシ?」と思うかもしれないが、〈BOOOOM〉は音波振動が気泡と水流を生み出し、歯に当てるだけで汚れを洗い流してくれる仕組みだ。ゴシゴシ動かす必要がないので、口を触られることを嫌がる子にも向いている。歯茎への負担も少なく、歯磨きに慣れていない子の最初の一本としても選ばれている。お口のサイズや磨きたい部位に合わせてヘッドを選べるのも、専門店ならではの提案だ。
業界初のペット専用音波歯ブラシ〈BOOOOM〉。ヘッドの種類や本体サイズを実際に見て選べる。
歯石をつかせない、日々の選択
ブラシだけがケアではない。〈OraBio〉のリペアウォーター(¥3,520)は毎日の飲み水に混ぜるだけで口内環境をサポートし、リペアパウダー(¥1,650)は天然成分が落としにくい歯垢を除去する粉歯磨きタイプ。この二つを組み合わせると、すでについた歯石を浮かせて取ることもできるという。ただし、それには口を大人しく開けていられる子でないと難しい。歯を触られること自体を嫌がる子、口周りに触れられるのが苦手な子、ブラシを噛んでしまう子——そういった悩みを持つ人ほど、ここに来てほしいとスタッフは言う。「まずどこから始めればいいか」を一緒に考えてくれる場所だからだ。だからこそ〈ちくわ本舗〉が大切にするのは、歯石をつかせないための日々の予防であり、その子に合った入口を見つけることだ。
獣医師に「歯を抜くしかない」と言われる前に、できることはある。その選択肢を、ここでは丁寧に教えてくれる。
イオン反発で汚れを浮かせる〈BeauDent〉のコーナー。「歯磨き前のふきとり大事」のPOPが目を引く。
「続けられること」が、最高のケアだ
スタッフが繰り返し口にするのは、「毎日続けられることが一番大事」という言葉だ。どんなに優れたアイテムも、使い続けられなければ意味がない。嫌がらずにいられるか、飼い主が無理なく続けられるか。その両方を大切にしながら、一頭一頭に合ったケアを提案していく。〈BOOOOM〉の電動歯ブラシはお値段もするから、まずは試しに来てほしいとスタッフは言っていた。そのひと言に、この店の姿勢が詰まっている。
〈OraBio〉のリペアウォーター、リペアパウダー、コットンシートが揃うコーナー。飲み水に混ぜるだけのタイプから、拭き取りタイプまで選べる。
歯磨きは、義務じゃない。彼らと長く一緒にいるための、日々の小さな選択だ。
アクセス・営業情報
📍 ちくわ本舗 岸和田店 WHATAWON(ワタワン)内 BEAUTY & LIFESTYLE 7-6 住所:大阪府岸和田市岸の丘町1丁目32-1 営業時間:平日 11:00–17:00|土日祝 11:00–18:00 定休日:毎週月曜日 Instagram:@chikuwa_honpo
